拓海の大親友にして愛車はハチゴー!?『頭文字D』人物列伝07【武内樹 編】

■『頭文字D』の世界観を深める存在

 無垢なイツキと純真な和美。場所的な要因もあるだろうが、しばらく沈黙した後、2人の会話は、ゆったりとしたテンポで進んでいく。結果、イツキは和美から「埼玉に帰る」と聞かされ、恋の終わりを予感。その後、別日の最後のドライブを経て、イツキは失恋を経験する。

 大人になった今これを読み返してみると「悔恨」の一言ではあるが、このあたりのエピソードには少年から青年になる時に男子なら誰もが感じるであろう感情がしっかり織り込まれており、連載当時、激しく感情が揺さぶられたことを呼び起こされる。

 イツキは、同作のなかでも際立って少年っぽさが感じられるキャラクターで、拓海のまわりに起きるさまざまな事象に対して多彩な表情を見せる。特にバトル前などは、イツキが騒ぎ、慌てふためき、対決の緊張感を助長している。拓海の気持ちがはっきりと表されないことが多かったため、イツキのそういった行動や思いが、相対的に読者との親和性を高めているのだ。

 マンガとは、登場するキャラクターが互いに絡み合って、それぞれ単体ではなしえなかった効果を生むものだ。イツキが「どこかそのあたりにいそうな」存在感を放っていたからこそ、読者は『頭文字D』の世界観を立体的に感じることができた。つまり、イツキは決して拓海の添え物ではなく、物語を大いに深めている存在であり、拓海と読者の理想的なバディであったとも言えよう。

■1話丸ごと掲載(Vol.144「決心」)

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