RX-7と“王子様”にゾッコンな走り屋女子!! 『頭文字D』人物列伝11【岩瀬恭子編】


 1人の青年がクルマと出逢い、その魅力にとりつかれ、バトルを重ねながらドライバーとしても人間的にも成長していく姿を綴った『頭文字D』は、日本のみなならず、アジア各国でも賞賛を浴びた、クルママンガの金字塔である。

 当企画は、同作において重要な役割を果たし、主人公・藤原拓海にさまざまな影響を与えたキャラクターにスポットを当てるというもので、ストーリー解説付き、ネタバレありで紹介していく。

 今回は、プロジェクトD、ダブルエースの一人である高橋啓介と恋愛シーンを繰り広げた岩瀬恭子を取りあげる。同じ愛車、RX-7同士のバトルと恋愛バトルの結果は果たして?

文/安藤修也 マンガ/しげの秀一

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■岩瀬恭子はどんな人物?

 顔を見れば、ぱっちり二重に鼻筋がピシッと通った美人タイプ。眉もキリッと描かれていて、意思が強そうにも感じられる。

 初登場時にファミレスでダベッている友人と見比べても、ルックスは華やかだが、極めて目立つ存在というわけではない。身体つきも、これまで登場した茂木なつきのようにグラマー、あるいは佐藤真子のようにモデル風ではない。

 しかしその実は、ハードなRX-7を愛車とする走り屋女子である。ファッションは実に粗野で実用的なものが多く、ジーンズはもちろん、時にはツナギ姿なども披露している。ただし、後に恋に目覚め、バトルを終えた後になると、生まれ変わったようにミニスカートを履いて登場。その姿は実にキュートである。

 普段はカー用品店で働いているいたって普通のクルマ好き女性。走り屋として埼玉県O町をベースとする秋山延彦のチーム(チーム名は不明)に所属し、仲間内では「いつの間にか列の先頭走るようになっちまった」、つまり「一番速いクルマ」だと認識されている。

 愛車はブラックのRX-7(FD3S型)で、フルエアロが組まれていることから、なかなか激しいチューニングが施されていると推察される。

 なお、好きな男性のタイプは「あたしと同じロータリー乗ってる男でー、しかもあたしより絶対速くなきゃダメなの……でもってあたしの大好きなFDに負けないくらいのかっこいいヒト」と語っており理想は高め(笑)。前述の友人からも「クルマとケッコンすればいいのよぉ」などと言われている。

■ひと目惚れした相手とバトルで結ばれる

 当初は「ヘンな男とつきあうよりクルマ走らせてる方がずっと楽しい」という発言もあったが、ある日、プロジェクトDの遠征前に一度、埼玉を訪れた高橋啓介と出会い、ひと目惚れ。その日のうちから心の中で啓介のことを「ダーリン」と呼ぶほどその想いはディープであった。そして、ここから恭子は恋愛に覚醒し、心が解放されることになる。

 性格はいい意味でわかりやすく、問題に直面しても心を立て直す逞しさを持ち合わせている。プロジェクトDとのバトルで、ヒルクライムの相手が啓介だと知った時は、「あのヒトとバトルなんてできないよー。逃げ出しちゃいたいー」と泣いていたのに、バトル前までにはしっかりとモチベーションを高めてきた。

 さらに、バトル前に故障した恭子のRX-7を修理しようとする啓介を見て、「好き…大好きなの。もう…どうしようもないくらい!!」と、男なら誰もが言われたいソウルフルなコメントも残している。とにかく若者らしく一途でまっすぐなのだ。

 バトルが始まると、「小細工なしで真正面からぶつかりたいんだろう」(延彦談)と、性格そのままに、どこか振り切ったようなテンションで啓介に挑んでゆく。その力強いパフォーマンスは特筆すべきものがある。

 一方、啓介はバトル中に微妙なアクセルワークについて悩むが、同じFDとのランデブーで、恭子と意識を交錯し、心で結ばれる(ような描写がある)。結果、ひとつの解を見つけ出して成長。言うなれば、啓介がひと皮むけるための手助けを恭子がした形にもなった。

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