藤原拓海との因縁が親心に変わる!『MFゴースト』を彩る人物列伝14 小柏カイ 編

藤原拓海との因縁が親心に変わる!『MFゴースト』を彩る人物列伝14  小柏カイ 編

 伝説のクルママンガ『頭文字D』の意思を現代に受け継ぐ新世代のクルママンガ、『MFゴースト』。2017年の連載開始時から圧倒的な読者人気を獲得しており、16巻発売時点の現在で、ついに単行本累計発行部数400万部を突破している。

 当連載では、作品内で繰り広げられるガソリン車のレース『MFG』で活躍するドライバーや、主人公・片桐夏向の周囲を取り巻く人々など、魅力あふれる登場人物たちの人となりを分析し、そのキャラクターや人物像を明らかにしていく。

 今回は、MFGラウンド1「小田原パイクスピーク」で解説を務めた小柏カイをピックアップ。作中では姿を現していないが、その言動から『頭文字D』ファンを熱くさせた。往時の活躍を振り返りつつ、現在の姿を想像していきたい。

文/安藤修也
マンガ/しげの秀一

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■伝説のミッドシップ使いは引退後何をしていたのか?

 熱心な『頭文字D』ファンであれば、小柏カイと聞けばすぐにあの意志の強そうな顔が思い浮かぶはずだ。父親の代から藤原家と因縁があり、一度ならず二度までも藤原拓海を苦しめた強敵だった。続編となる今作『MFゴースト』では、MFGラウンド1「小田原パイクスピーク」のゲスト解説者として登場している。ただし、登場といってもその容姿が描かれることはなく、声、つまりセリフのみでの登場となった。

かつて、一度ならず二度までも藤原拓海を苦しめた強敵「小柏カイ」
かつて、一度ならず二度までも藤原拓海を苦しめた強敵「小柏カイ」

 実況担当の田中洋二(彼もセリフのみで登場)によれば、レーシングドライバーとして活躍したあと、現在は監督としての立場でレース活動に携わっているという。

 つまり『頭文字D』のプロジェクトD神奈川遠征で「R・Tカタギリ」のドライバーとして拓海に敗れたあとも、レーシングドライバーとしてそれなりに活躍したのではないだろうか。実際のレース業界でも、一流ドライバーとしてそれなりの結果を残さなければ、ドライバーから監督への華麗なる転身というのはなかなか見られないからだ。

 また、登場時には実況の田中から、MFG上層部のメンバーと面識があることを語られ、「彼らは古くからの友人です」と答えている。プロジェクトDのミッション終了後も、同じ北関東を根城とする走り屋として、高橋兄弟らとなにかしら親交があったのだろうと予想される。ただ、謎の人物リョウ・タカハシ(高橋涼介のこと)に関する情報を求められると「しゃべるなとクギをさされているのでしゃべれないんですよ(笑)」と返している。

 一方で、そのリョウ・タカハシが考案したMFGのレギュレーションについて、「(涼介による)天才的な手腕」だと絶賛し、さらに持論を展開している。

 いわく、「リッチマンズレギュレーション」と言われたMFGのハイパワー車全盛の状況も、4年目にきてひとつのターニングポイントがきているのだと。パワーよりバランスを重視するマシンとドライバーの躍進がその兆しで、ベッケンバウアーの活躍に理解を示している。

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