「どこが」じゃなくて「全部」!? MFGに欲しい要素を実車で実現!
――GR86は良いクルマになっているというお話がありましたが、そんなベースに対してGR86 MFGコンセプトは、より具体的にどこが良くなっていますか?
織戸/今回はエンジンパワーを上げているわけではないんですけど、これらのパーツを組み合わせることによるトータルのポテンシャルアップなので、ハンドリングも良いし、ブレーキング性能も良いし、ドライバーのホールド性も良い。トータルでMFGの走行シーンにおけるシチュエーションで、欲しいものが全部そろった。不安な要素がなくなっています。
例えばブレーキでいえば、下りを全開で走ったらどうしてもノーマルだと音をあげてしまうところを、ブレーキのサイズアップによってコントロール性をアップしています。
そしてサスペンション。ノーマルも悪くないですが、どうしても限界性能が低くなってしまっているところ、(GR86 MFGコンセプトでは)限界性能を上げたサスペンションになっています。
それからタイヤ。ヨコハマのAD09を履いていますが、これも本当に最後までグリップが落ちない、安定したハンドリングを実現しています。またクラッチも、エンジンパワーが上がるわけではないですけれど、エンジンレスポンスの向上やシフトアップのフィーリングなど駆動性能が向上しています。
織戸学はアドバイザーとして何をリクエストした?
――今回、プロジェクト・アドバイザーという立場ですが、車両に対してのリクエストは?
織戸/たとえばタイヤのチョイスも悩むことはなかったし、リクエストというのはないくらいスムースだったんだけど、このタイヤは僕がテストして作っているタイヤでもあるので、タイミングよく、このクルマと同じ時期に出てきたという意味で、このクルマのシチュエーションには本当にピッタリのタイヤになりましたよね。サーキットに寄りすぎずどちらかといとスポーツライクに楽しむ(方向性)ということで作ったタイヤなので。
また、シート……これも新しく出たもので非常にタイミングが良かった。サスペンションは最近なんだけど、自分で使ってみて非常にコントロール性とコストパフォーマンス含めて、マルチシチュエーションに使える。そういう意味でもすべてがマッチしていますね。個人的にはもう少し太いタイヤを履かせたいけれど(笑)。
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もともとしげの秀一先生の大ファンという織戸氏は、MFゴーストをはじめとするしげの作品の良さを「リアルにあり得るシチュエーションをマンガにしていること」と表現。まさにGR86 MFGコンセプトは、そんな魅力を体現した一台といえるかもしれない。
さて、原作を読んでいる方はご存じのとおり、主人公のカナタは現在も初代86に乗り続けている。あくまで妄想の話ではあるが、このGR86が登場する展開はあるのか、ないのか……そんな部分も含めて想像が膨らむ。
GR86 MFGコンセプト、原作、そして2023年に始まるTVアニメと合わせて、今後の展開に大注目だ!
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