レクサスの旗艦ハイブリッドスポーツがMFG最速に挑む! 『MFゴースト』を彩る名車列伝17 レクサス LC500編

■主張するのは速さより気持ちよさ

 パワーユニットは、5.0L V型8気筒エンジンと、3.5L V6エンジンに電気モーターを加えたハイブリッドを設定(LC500h)。V型8気筒エンジンは477psを発揮。ターボが付かないのは現在の世界の趨勢からすると異端だが、やはり自然吸気エンジンは気持ちよく回り、その滑らかな変速は10速ATが担っている。ハイブリッドはレクサスらしいエコ仕様ながら、スポーツモードを選択することで、まるで電気ターボのような風味の加速感が味わえる。

 V8のLC500に乗ると、なんといってもエンジンの気持ちよさが一番に感じられる。足まわりやハンドリングも、ドイツ御三家のプレミアムスポーツカーに勝るとも劣らないスポーティながらエレガントな乗り味となっている。そして、加速時にエンジン音を車内へ引き込み、迫力ある音を奏でる「サウンドジェネレータ」を搭載。一部ではフェラーリ以上とも言われる、凄まじく心地よいスポーティサウンドが、ドライバーの気持ちを高揚させてくれる。

 誌面に初登場したのは、MFGラウンド1「小田原パイクスピーク」の予選結果が表示されたシーン。文字面のみで、11位にドライバー名「E.ハンニネン」、車名「レクサス」と記載されている。つまり予選での走行シーンは取り上げられていない。さらに決勝レースのスタート後も、ポルシェ対決のトップ争いや、中団のフェラーリ対ランボルギーニ、後方のトヨタ 86対ロータス&アルファロメオなどが頻繁に登場し、レクサスLCはなかなか姿を表さない。

 途中、前方を走る1台のBMWがリタイアしたことで順位をひとつ上げながらも、レクサスLCは淡々と走り続けている。そしてレース終盤、ヤジキタ兄妹(ロータス&アルファロメオ)とのバトルに決着をつけた夏向の操るトヨタ 86がレクサスLCをその射程に捕えた時、はじめてLCはその姿を表すのだった。

 実際に2台が初接触したのは、デスエリアと呼ばれるガスと霧が漂う地帯。ここで86は、視界不良をものともしない走りで、一瞬のうちにレクサスLCのインをとる! ハンニネンが思わず「クレイジー!! ボーイ……」と叫んだものの、イン側の木立に車体を当てながら86はギリギリのコースどりでLCの横を電光石火のオーバーテイク……。

■優れたドライバーの腕をもってしても続く予選落ち

 なお、ハンニネンのゼッケンは10番で、これはMFGの前年度の成績が10位だったということを表す。つまりそれなりの腕を持つ優れたドライバーであるハンニネンが、これで調子を崩すようなことはなく、最終的にそのままの順位でフィニッシュし、開幕戦は11位で終えている。

 しかし、ラウンド2「芦ノ湖GT」では……と紹介を続けたいところだったが、残念ながら、レクサスLCはラウンド2、そしてラウンド3と予選落ちを喫する。

 第3戦終了時点のポイントランキングを見ると、ハンニネンは16位となっている。ラウンド2から沢渡光輝、ラウンド3から諸星瀬名が参戦したことで、MFGのトップ15ドライバー、いわゆる”神フィフティーン”から追い出されてしまった格好だ。

 前年までは、大排気量の高級スーパーカーが大手を振るう「リッチマンズレギュレーション」と呼ばれたMFGだったが、この年からはライトウェイトモデルが台頭し始めている。本格的なスポーツモデルではなく、味付け的にはラグジュアリクーペ寄りのこのレクサスLCが、はたしてこの先、予選通過することはあるのだろうか。

■掲載巻と最新刊情報

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