『頭文字D』の名車は今でも買えるのか!? 高橋啓介のFD3S RX-7編

『頭文字D』の名車は今でも買えるのか!? 高橋啓介のFD3S RX-7編

 各地の“峠”で繰り広げられるドッグファイトにより、人気を博した漫画「頭文字(イニシャル)D」この漫画に登場したクルマの人気が急上昇し、中古車相場が高騰したのはご存じのとおりだ。

 この企画は頭文字Dの登場人物の愛車はまだ中古車は手に入るのか?と題して現在の中古車相場や流通台数を探る企画。

 初回のAE86トヨタスプリンタートレノに続いて取り上げるのは、高橋啓介の愛車であるFD3S型アンフィニRX-7だ。

文:萩原文博、写真:マツダ

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FD3S型RX-7はどんなクルマだったのか?

1991年12月に販売開始したアンフィニRX-7
1991年12月に販売開始したアンフィニRX-7

 FD3S型RX-7は1991年12月より販売されたマツダのピュアスポーツカー。初代RX-7から継承したリトラクタブルヘッドライトを採用したファストバックスタイルの2ドアクーペだ。

 販売開始当時はアンフィニRX-7として販売されていたが、1997年1月にマツダRX-7と名称が変更されている。

 搭載されているエンジンは13B型ツーローターシーケンシャルツインターボエンジンで、MT車の最高出力はデビュー当初の255psから1996年1月に265ps、1999年1月には280psまでパワーアップしている。

2000年に登場したRX-7 タイプRZ
2000年に登場したRX-7 タイプRZ

 1991年~2002年まで生産されたFRD3S型RX-7はマイナーチェンジや一部改良に合わせて進化し、1型~6型に分類されている。

 最高出力が280psとなった1999年1月の5型以降はエンジンの冷却性能が改善されただけでなく、サスペンションのセッティングが見直されたことで、非常にコントロールしやすくなっている。

 そのいっぽうで、初期の1~2型はトリッキーな乗り味で、乗りこなすためにはスキルが必要だった。

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高橋啓介の愛車は購入できるのか?

 高橋啓介の愛車であるFD3S型RX-7はイエローのボディが特徴で、参考資料によると、1992年式の1型のタイプRと書かれている。

 確かにイエローのRX-7は1991年12月に登場した1型にコンペティションイエローマイカが設定され、1993年8月の2型に進化した際にカタログ落ちしている。

 1型のコンペティションイエローマイカ以外で、イエローのFD3S型RX-7というと、1997年10月に限定500台で設定されたタイプRS-R。

 そして2001年8月に設定された特別仕様車のタイプRバサーストRのサンバーストイエローとなる。

2001年登場したRX-7タイプR バサーストR(色:サンバーストイエロー)
2001年登場したRX-7タイプR バサーストR(色:サンバーストイエロー)

 そうなると、高橋啓介の愛車であるFD3S型RX-7は1型のコンペティションイエローマイカである。 コンペティションイエローを設定していた1型のFD3S型RX-7の中古車の流通台数はわずか9台で、アンフィニRX-7として販売されていた1997年式まででも2020年8月時点で約41台しかなかった。

 1991年~1993年までの1型の平均価格は2020年5月時点で約290万円、2020年8月は約285万円とほぼ横這いで推移。現在もほぼ同様だ。中古車の走行距離も2020年5月の約7.6万kmから2020年8月は約7.9万kmと若干延びている程度に留まっている。

アンフィニRX-7の中古価格帯は、北米25年ルールの影響で高騰化している。高橋啓介が乗っていたものは中古市場で流通していない
アンフィニRX-7の中古価格帯は、北米25年ルールの影響で高騰化している。高橋啓介が乗っていたものは中古市場で流通していない

 現在、1型のアンフィニRX-7の中古車の価格帯は229万~340万円で、北米の25年ルールによる海外流出の影響で非常に高くなっている。しかも残念なことにコンペティションイエローマイカの中古車は現在1台もない状況となっている。

次ページは : RX-7の中古車市場と25年ルールの影響

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