■愛車はともにライトウェイトスポーツ
兄の翔は22歳。前年度のポイントランクを表すカーナンバーは16。ことレースに関してはストイックで、結果を追求する面も見られ、最初に夏向と仲良くしようとした望に、「ライバルだぞ」とたしなめている。一方で、予選の走りを見て夏向の実力を見抜いており、やりあう前から「そいつとテクニカルセッションでまともにやりあったら勝ち目はない」と予測。
バトル中は、ところどころで妹の望に無線でアドバイスを送る優しさを見せつつ、カマボコストレートでスリップストリームを使う際はスタッフに秒数を計算させるなど、兄妹の連携プレーでは司令塔的な役割もこなしている。
妹の望は20歳。兄からは「ちょっとイイ男だからって、すぐにホイホイなつくな……」と注意されているように、恋に敏感な乙女なようだ。夏向との初対面では、「イケメンだあー♡」と目を輝かせており、どうやらひと目ぼれしてしまった様子。
一方で、レース中、ピンチを迎えたシーンでは「おもしろくなってきたね」とバトルを楽しんでいる一面をみせる。さらに、「望むところだよ。夏向とガチで勝負してやる!!」と息巻くなど、カーナンバー18らしく、バトルに対してチャレンジングな姿勢も披露している。
2人の愛車は、白いロータス エキシージ。、赤いアルファロメオ 4Cとなっており、どちらもライトウェイトスポーツモデルだ。翔は、「曲がることにかけては他のどんなメーカーにもヒケはとらない」とロータスを選んだことに対して、こだわりが感じられる。きっと妹の望みも、その影響を少なからず受けているに違いない。
■連携プレーでライバルの脅威に!
そんな2人は、基本的に個人戦となるMFGにおいて、連携プレーを使えるという部分はメリット。気心の知れた兄妹だからこそ実現できる、阿吽の呼吸もある。第1ラウンド「小田原パイクスピーク」では、スタートするなり2台でシビックタイプRを間に挟んだ体勢から、前方のエキシージがフェイントをかけて、そのスキに後方の4Cがシビックのインを突くという、”サンドイッチフォーメーション”を披露。
その後も、後方から追い上げてきた86を追い抜かせないための”ブロックフォーメーション”を匂わせたり(実際にはフォーメーションを実施する前に4Cがパスされてしまった)、ロングストレートでのスリップストリーム走法など、いくつかの戦術を実施している。さらに、ほかのドライバーにはなしえない戦略がまだほかにも用意されていることが予想される。
(第3ラウンドが終了した)現時点では、トップドライバーとハイパワーマシンらに太刀打ちできず、今いちブレイクしきれていない。しかし、トヨタ 86やアルピーヌ A110といったライトウェイトマシンが上位入りをしていることから、まだまだ付けいる余地はあると思える。
はたして、シーズン終了時の神フィフティーン入り、そして望がカナタと結婚して「ヤジキタ三兄弟」になるという、兄妹の野望は叶うのか(←後者は叶わないだろう)。兄妹の過去、苗字の違う理由などとともに、気になるところである。
■掲載巻と最新刊情報
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