伝説のクルママンガ『頭文字D』の意思を現代に受け継ぐ新世代のクルママンガ、『MFゴースト』。2017年の連載開始時から圧倒的な読者人気を獲得しており、13巻発売時点の現在で、ついに単行本累計発行部数320万部を突破している。
当連載では、同作品内で繰り広げられる『MFG』で活躍するドライバーや、主人公・片桐夏向の周囲を取り巻く人々など、魅力あふれる登場人物たちの人となりを分析し、そのキャラクターや人物像を明らかにしていく。
記念すべき第1回目となる今回は、心優しき熱血漢にしてGT-Rのステアリングを握る相葉瞬を取り上げる。「カミカゼヤンキー」と夏向との関係は、そして恋の行方はどうなっていくのか?
文/安藤修也
マンガ/しげの秀一
■地元出身のアツい男は恋に不器用な24歳
『頭文字D』ファンの大きな期待と注目が集まるなかで連載が始まった『MFゴースト』において、一番最初に読者へ姿を見せたドライバーが、相葉瞬である。登場するなり、MFGエンジェルズの新人へ思いを寄せていること、そしてチャンピオンの栄冠を掴んだ暁には彼女にプロポーズすると、アツい野望を語っている。
そんなちょっとアツい男、相葉瞬は、MFGが開催される地元・小田原出身の24歳。ショートのツンツンヘアーにあごヒゲをたくわえ、たくましい眉と大きな瞳が印象的な男らしいルックスで、作品開始当初は年齢相応の若々しさを感じさせたが、連載が進み、その行動や言葉を見ていくにつれて、オッサンくささを漂わせるようになっていく(笑)。途中、「超合金Z」という発言さえあり、本当はいったい何歳なんだというツッコミを入れたくなるほどだ。
初登場シーンでは軟派な男と思わせたが、読み進めていくとまったく逆で硬派な男であることがわかる。可愛い娘なら誰にでも視線を向けるわけではなく、ただこの新人ちゃんにのみ想いを募らせている。ただ一途なだけだが、まだ名前も知らない女性に入れ込んでしまうあたり、ピュア過ぎるというか、ちょっとイタいやつではある(笑)。
さらに後日、実は気が強かった新人ちゃんに冷たくあしらわれると、「たまらん……あの気の強そーなところ、まさにドストライク」と悶絶。M気質も見せた。
また、同じくMFGのドライバーである沢渡光輝のことを、「17の女しか好きにならないっていう……筋金入りのロリコンなんだ」と言い、「つきあうならやっぱ、大人っぽくてセクシーなコじゃないと」と自分の理想を語っているが、後にこの新人ちゃんが17か18くらいと告げられてショックを受けることになる。