伝説のクルママンガ『頭文字D』の意思を現代に受け継ぐ新世代のクルママンガ、『MFゴースト』。2017年の連載開始時から圧倒的な読者人気を獲得しており、16巻発売時点の現在で、ついに単行本累計発行部数400万部を突破している。さらに最新刊となる17巻が6月6日に発売予定となっている。
当連載では、作品内で繰り広げられるガソリン車のレース『MFG』で活躍するドライバーや、主人公・片桐夏向の周囲を取り巻く人々など、魅力あふれる登場人物たちの人となりを分析し、そのキャラクターや人物像を明らかにしていく。
今回は、MFGラウンド3「ザ・ペニンシュラ真鶴」で解説を担当した秋山渉を紹介。小柏カイや池田竜次同様、作中に姿は現さないものの、『頭文字D』ファンの心を刺激するようなセリフは見られるのだろうか?
文/安藤修也、マンガ/しげの秀一
■ダブルエースと戦ったハチロク乗りは今も現役ドライバー
秋山渉は埼玉県出身の走り屋で、主人公・藤原拓海と同じハチロク(AE86)を愛車としていたことで印象深いキャラクターだ。ただし秋山の愛車は、拓海のスプリンタートレノの兄弟車となるカローラレビン。これにターボやスーパーチャージャーなど過給器チューンを施しており、じゃじゃ馬のようなマシンを乗りこなすドライビングテクニックを持ち合わせていた。
藤原拓海と高橋啓介の「プロジェクトD」ダブルエースの両者とバトルした数少ない人物だが、そのどちらにも敗北を喫している。両者のような天性のドライビングセンスを持ち合わせている訳ではないが、持ち前のハングリー精神と闘争心、勤勉さを見せつけ、接戦を繰り広げた。
人との接し方には情熱の深さが見られ、妹・和美への態度、(和美と恋仲になる)イツキへの面倒見の良さなど、その男っぷりのいい性格にはファンも多かった。もちろん愛車への想いも深く、メカニズムにも詳しい。拓海(正確には文太)のハチロクのエンジンが載せ替えられた際は、拓海の無知さに驚くと同時に怒りを見せたこともあった。
そんな秋山が現在何をしているかといえば、『頭文字D』本編終了後、全日本ラリー、全日本ジムカーナ、ツーリングカーレースとさまざまなカテゴリーのモータースポーツを経験。なんと今も現役のドライバーだという。『頭文字D』でカプチーノを操る坂本はラリーストであり、秋山とは友人であったはずだが、もしかしたら秋山のラリー経験にもなにか関わっていた可能性は考えられる。
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