伝説のクルママンガ『頭文字D』の意思を現代に受け継ぐ次世代のクルママンガ、『MFゴースト』。2017年の連載開始時から圧倒的な読者人気を獲得しており、最新刊(15巻)時点で、単行本累計発行部数370万部を突破している。
同作品に登場したクルマたちの世界観と魅力を読み解いていく本連載。今回は、MFG史上初参戦(?)となったアストンマーティン車、ヴァンテージを取り上げる。マシンスペック、ドライバーのスキルなど、知れば知るほど大物食いの雰囲気がプンプンだ!
文/安藤修也
マンガ/しげの秀一
■美しくもモダンな英国製リアルスポーツ
アストンマーティンは英国発祥の歴史ある自動車メーカーで、日本ではフェラーリやポルシェほど馴染みがないが、長い歴史を持つラグジュアリースポーツブランドである。設立されたのは1913年で、高性能スポーツモデルの販売と同時にレース活動も盛んに行い、数々のタイトルを獲得してきた。現代でも伝統的な耐久レースへの参戦に加えて、F1でも活躍している。
同社のマシンといえば、走行性能が高いことはもちろん、内外装の質感も高レベル。そしてスポーツカーというよりGTカーといった印象が強い。サーキットや峠道などでコーナーを攻めるというよりは、長い直線を加速していくイメージだ。そして、このアストンマーティンの現在のラインナップの基幹モデルとして置かれているのが、2シーターのFRモデル、ヴァンテージである。
車名やブランド内の立ち位置などさまざまな変遷を重ねてきたヴァンテージだが、2005年に登場して2018年まで発売されていた先代型から、その立ち位置はフェラーリのV8モデルやポルシェ911に対抗するリアルスポーツとなった。スタンダードなクーペモデルのほか、オープンモデルの「ヴァンテージ・ロードスター」もラインナップされている。
現行型のV8ヴァンテージに搭載される4.0L V型8気筒エンジンはメルセデスAMGと共同開発されたもので、レーシングエンジンのようなレスポンスの良さと最高出力510psを発揮し、0-100km/h加速は3.6秒、最高速度は314km/hを誇る。駆動方式はFRで、その駆動力はすべてリアタイアに伝えられる。組み合わされるトランスミッションは、7速MTと8速ATが設定されている。