再登場は珍しい!? Zを操る愛されキャラ『頭文字D』人物列伝13【池田竜次編】


■再度登場することになる愛されキャラ

 まずはいいクルマを作る。そしてクルマを操るのではなく、クルマと一体になってその意思にしたがう。そのためにドライバーは感情にとらわれずに、タイヤやサス、あるいはエンジンから伝わってくる感情を感じとる。ドライバーは感情を封印し、謙虚になること───というのが「ゼロ理論」のドライビング概要である。戦うべきは相手ではなく、自分の心に住んでいる弱い自分なのだという。

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 しかし、実際の高橋啓介とのバトルでは、濃霧というアクシデントが発生することになる。バトル中、形にできない苛立ちのようなものを感じた池田は、結果的に自らがゼロの心で戦うことができなかった。そして、集中力と闘争心、さらには気力の差で、啓介に先を許すことになる。

 もしも濃霧がでなかったら……と、ついたらればを考えてしまうところだが、バトルを終えた本人は結構サバサバしていて、「オレは納得している。ステージが公道である限り、どんな天候もいいわけにはできないだろう。ゼロ理論もまだ完全なものじゃないということさ……それに気づくことから進歩ははじまるんだ」と、前向きに語っている。なんと清々しい男ではないか。

 基本的に敵キャラクターは敗北した後、再登場することは多くない同作品だが、“死神”の初登場シーンで使われた池田は、後の高橋涼介と“死神”とのバトルシーンでも再登場(箱根をパトロールしていたというのがまた微笑ましい)。このあたりからは、しげの先生もこの池田というキャラクターを気に入っていたのではないかと想像させられた。

 さらに、涼介とともに“死神”を助けようとするこのバトルのラストは魅力的で、多くの人が共感を寄せ、彼のことを愛したのではないだろうかと想像させるシーンである。

■1話丸ごと掲載/Vol.556「無の心(中編)」

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