プロジェクトD最後にして最大の難関である神奈川勢とのバトルも、ついに第3ステージへ。
ヒルクライムで啓介と戦うのは、独自のドライビング理論を持つ男。RX-7対フェアレディZという宿命のバトルで、とてつもないスケールでスピリチュアルな世界感が描かれる!
(第39巻 Vol.555「無(ゼロ)の心」~第40巻Vol.568「ゼロの敗北」より)
文:安藤修也 マンガ:しげの秀一
■連載第1回 激闘の「vs.RX-7(FD3S)編」
■連載第2回 ハンデ戦「vs.シビック(EG6)編」
■連載第3回 至高の存在「vs.RX-7(FC3D)編」
■連載第4回 因縁の「vs.ランエボIV編」
■連載第5回 高橋涼介大活躍 「RX-7対ランエボIII編」
■連載第6回 エンジン載せ替え対決「ハチロク対ハチロク編」
■連載第7回 ついに拓海がプロと対決「vs.シビックR編」
■連載第8回 名車と恋の行方編「RX-7vs.RX-7編」
■連載第9回 非力なれど名車編「vs.カプチーノ編」
■連載第10回 「神」が操る究極のFR対決 ハチロク対S2000編
■連載第11回 ミッドシップ使いとの再戦 vs.MR-S編
【登場車種】
■先行:日産・フェアレディZ(Z33型)
→ドライバーは池田竜次。「チーム・スパイラル」のリーダー。年齢不詳だがオッサン顔。寺の息子なため(?)資金力があり、若い頃からレースをやっていた。自分のサイトで「ゼロ理論」(詳細後述)を公表中。愛車のZは「軽量化をして、太いタイヤをはいて、馬力をあげた、圧倒的に速いクルマ」だ。
■後追い:マツダ・RX-7(FD3S型)
→ドライバーは高橋啓介。兄の涼介から課されたアクセル開度コントロールのための特訓を重ね続けた結果、驚異的なタイヤ&タイムマネージメント能力を身に付ける。神奈川第2ステージでレーシングドライバーとのガチンコ対決を制し、その成長を見せつけた。
【バトルまでのあらすじ】
神奈川第3ステージの相手「チーム・スパイラル」は、クルマ作りを重視するチーム。金をかけて速い車を作り、それを乗りこなしていき、クルマのポテンシャルで相手をねじ伏せると喧伝されるが、実はドライバー2人もレース経験者でかなりの実力者であった。
啓介がヒルクライムで対戦する池田は、バトル開始前にプロジェクトDの2人に突然問いかける。「走ることとは何だ?」。読んでいて、「ん?」となる。いったいこの禅問答のようなものは何なのか。
さらにその後、池田は「オレが日頃から提唱するゼロの理論が試される」と発言。お、おぉ? ゼ、ゼロの理論? 初めて聞く言葉である。
池田曰く、「無(ゼロ)になることこそ理想的なドライビングスタイル。勝ちたいと思う心は人間の弱さにつながる。ただクルマが持っている最高の状態を引き出すだけ」。なんだか、スピリチュアルだ。そういえば実家が寺だと言われていたが……。
また、今回は、天気は雨が上がったばかりで、路面はハーフウェット。ところどころ霧も出ているという。果たしてコンディションが悪いことは、コースを知っている地元(スパイラル)に有利となるのか、クルマの優位性にかけるスパイラルにとっては不利となるのか。