86再人気の火付け役にもなった、走り屋マンガの金字塔、『頭文字D』(しげの秀一著)と、その世界観を受け継ぐ最新作として話題の近未来レーシングストーリー『MFゴースト』、両作品のトークショーが86/BRZのファンイベント「FUJI 86 style with BRZ」の中で開催された。
しげの秀一氏の『バリバリ伝説』がバイブルというレーシングドライバーの織戸学選手と、講談社『ヤングマガジン』編集部所属『MFゴースト』担当編集者上井晴仁氏によるトークショーに加え、同イベントに実車が出品された「86MFGコンセプト2021」の詳細をお伝えしよう。
文・写真/大音安弘
■新旧86が活躍する人気コミックのトークショーを開催
2021年6月6日(日)、富士スピードウェイのイベント会場にて、86/BRZファンイベント「FUJI 86 style with BRZ」が開催された。そのステージショーのひとつに、86ファンの胸を熱くする「頭文字D 25周年記念“MFゴースト”specialトークショー」が行われた。
織戸選手は、『頭文字D』が25周年になることに驚きつつ、「18歳だった拓海も、だいぶ大人になりましたね」と笑いを誘い、作品が今の20~30代のクルマ好きを生みだすきっかけにもなったことなどに触れた。織戸選手自身も、最近人生で5台目となるAE86を手にするなど、今も変わらない『頭文字D』への想いと影響の大きさについて語った。
また『MFゴースト』担当編集の講談社上井さんよれば、『頭文字D』のコミックは、アジア圏だけでなく今では米国でも発売されており、連載開始から25年たった今も世界中でファンを増やしているという。まさに日本を代表する伝説のカーコミックなのだ。
しげの作品の魅力について、織戸選手は、「『バリバリ伝説』の頃から、しげの先生が峠や走りなどのリアル描写を追求してきたこと」を挙げ、名勝負を生んだ秘儀「溝(側溝)落とし」も、織戸選手自身が実際に峠で使い、コーナリングスピードを高めていたことにも触れた。
また『頭文字D』に登場する、危険なバトル「ガムテープデスマッチ」をサーキット企画での試してみて、大変危ない目にあったこと、拓海のドライビングセンスを鍛えるため、父・文太がやらせていた水の入った紙コップをドリンクホルダーに積んだ運転を試したことなどの懐かしい話題にも触れ、来場者と『頭文字D』の思い出に浸った。