テクニックは一級品も、こじらせセブンティーンコンプレックス『MFゴースト』を彩る人物列伝04 沢渡光輝 編


■夏向によって目覚めた闘争心

 もちろんカーナンバー「4」は伊達じゃない。「ドラテクはハンパない」「テクニカルステージにはやたらと強い」「潜在能力的にはベッケンバウアーに迫れる唯一の男」と相葉が惜しみなく絶賛するほどのドライビングの腕前を誇り、フランスの名車・アルピーヌ A110を駆る。

 ラウンド2「芦ノ湖GT」の予選では、その潜在能力を出し切り、MFG史上初となるまぼろしの(高橋啓介が打ち立てた)コースレコードを破った。この走りは前代未聞のスーパーラップと評されたが、走行後に彼女へ電話して「まだ本気は出してねーけどな」と話しているのだから驚く。

  プレイボーイキャラというのは多くのマンガに登場するが、『頭文字D』の主要登場人物にはいなかった。現代的で、ある意味イノセントな、興味深い存在である。しかしその後、ラウンド2、ラウンド3とステージを経ていくごとに、沢渡は変貌を遂げていくことになる。

 たとえばラウンド2では、ベッケンバウアーとの一騎打ちで壮絶なバトルを繰り広げた挙句、「なんだかなァ…オレも…ずいぶん変わっちまったもんだぜ……1位にこだわる気持ちがここまであるとはな…!!」と、結果にこだわりを見せる場面が見られ、ベッケンバウアーに負けると、「泣きたいほど…くやしいぜ!!」とも発言。

 闘争心が目覚めた理由は、自ら「カナタ・リヴィントン、おまえがいるからさ……」と語っており、「この世の中で一番大事なものが女ではなくなった……。悪く思うなよ沙奈……。これが本当の……オレだからな!!」と、悔しさのような感情を滲ませている。

 そして、ラウンド3「ぺニンシェラ」終了後、ベッケンバウアーと夏向に惜しくも敗北して3位でフィニッシュすると、「レースでドッグファイトになった時……勝負所の最後のひと伸びでいつもミハイルにさされてしまう……」「だから……ゴメンな……可愛いクルマと別れる時は、女と別れる時の何倍もつらい…」とA110からのマシン乗り換えも示唆している。

 イケメンキャラで女性読者からの人気が高いかと思う反面、セブンティーンコンプレックスなどと言ってるので、硬派な女性ファンには「キモい」と思われるかもしれない。今後のファンの動向は、これからのバトルでの活躍、そして彼のレースへの打ち込み方、変貌次第になるだろう。

■掲載巻と最新刊情報

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