【番外コラム】ハチロク以前のテンロクスポーツ
(TEXT/片岡英明)
1967年夏、痛快なテンロクスポーツとして走り屋たちを魅了したのが510の型式を持つ日産ブルーバード1600SSSだ。新設計のL16型OHCエンジンにSUツインキャブ、ポルシェシンクロの4速MT、そして4輪独立懸架のサスペンションを採用して冴えた走りを披露した。
が、1960年代後半からはDOHCエンジン搭載車がテンロクスポーツの主役となる。トヨタはブルーバードと同じ時期に、ライバルに先駆けてDOHCエンジンに5速MTを設定した俊足のトヨタ1600GTを送り出した。
これに続き1970年12月にはセリカを発売。スペシャルティカーというジャンルを開拓している。主役の1600GTが積むのは、後に名機と讃えられる2T-G型DOHCだ。キャブはソレックス40PHHキャブ2連装、ミッションは5速MTである。
このパワフルなエンジンを軽量コンパクトなボディに押し込み、レースなどでも活躍したのがTE27型カローラレビンとスプリンタートレノだ。
同じ時期、三菱も高性能テンロクスポーツを発売した。ファストバックにダックテールのギャランGTOだ。リーダー格のMRはクラス最強の4G32型DOHCエンジンを積んでいる。OHC仕様の4G32型エンジンを積むランサーやFTOの1600GSRもフットワークは軽やかだ。
4速MTだが、いすゞにもDOHCエンジンを積むベレット1600GTRや117クーペなどの名車があったことは覚えておきたい。
コメント
コメントの使い方